生前対策や相続トラブル防止のために遺言書を作成する方が増えていますが、「遺言書は一度書いたらそれで終わり」と考えてはいないでしょうか?
遺言書を作成してから数年、数十年と時間が経過するうちに、ご家族の状況や財産の状況は変化するものです。当時の状況に合わせて書いた遺言書も、いざという時に使えなくなってしまうリスクがあります。
一度書いた遺言書、そのままで本当に大丈夫ですか?
作成当時のまま遺言書を放置しておくと、以下のような事態が発生する可能性があります。
- 指定した相続人が先に亡くなっていた
遺言書で財産を譲る予定だった方が、遺言者(ご自身)より先に亡くなってしまった場合、その部分の記載は原則として無効になってしまいます。 - 遺言書に書いた不動産をすでに売却していた
「長男に〇〇の土地を相続させる」と書いてあっても、生前にその土地を売却等で処分していれば、その記載部分は撤回されたものとみなされます。
このような状況が発生すると、せっかく作成した遺言書が意味を成さず、遺されたご家族の間で面倒な相続手続きやトラブルが発生する原因となってしまいます。
遺言書はいつでも書き直し(撤回)が可能です
一度作成した遺言書であっても、ご本人の意思でいつでも書き直す(撤回する)ことができます。
遺言書が複数見つかった場合は、最も日付の新しい遺言書の内容が優先されます。将来のトラブルを防ぐためにも、ご自身の状況が変わったタイミングで定期的に遺言書を見直すことをおすすめします。
【種類別】遺言書を書き直す方法と注意点
遺言書の書き直し方法は、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」のどちらを作成したかによって異なります。
自筆証書遺言の場合
ご自身で手書きした自筆証書遺言を書き直す方法は比較的シンプルです。元の遺言書を破棄するか、新しい日付で遺言書を作成し直すことで、古い遺言を撤回できます。新しく作成する遺言書は、自筆証書遺言・公正証書遺言のどちらでも構いません。
⚠️ 【重要】法務局の保管制度を利用している場合の注意点
法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用して遺言書を預けている場合は、自宅で手元のコピーを破棄しても撤回したことにはなりません。必ず、法務局へ出向いて「遺言書保管の撤回」の手続きを行う必要があります。
参考:法務省「自筆証書遺言書保管制度」
公正証書遺言の場合
公正証書遺言は、公証役場に原本が保管されているため、ご自身の手元にある「正本」や「謄本」を破棄しても、遺言を撤回したことにはなりません。
■ 公正証書遺言を書き直す一般的な流れ
公正証書遺言を撤回する際、新しい遺言書は「自筆証書」でも「公正証書」でも形式は問われません。しかし、ここで大きな落とし穴があります。
⚠️ 【重要】公正証書遺言を自筆で書き直すリスク
公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回した場合、もしその自筆証書遺言に「日付がない」「押印がない」などの形式上の不備があり無効となってしまうと、「撤回」自体も無効になってしまいます。結果として、ご自身の意に反して、古い公正証書遺言の効力が復活してしまう恐れがあります。確実性を期すため、書き直しも公正証書で行うことを強くお勧めします。
自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
遺言書を書き直すにあたり、それぞれのメリットとデメリットを改めて確認しておきましょう。
| 種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 公正証書遺言 |
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| 自筆証書遺言 |
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こんな時は要チェック!遺言書を書き直すべき4つのタイミング
以下のような状況の変化があった場合は、速やかに遺言書の見直し・書き直しをご検討ください。
- 遺言書に記載した財産を譲る予定の相続人が亡くなったとき
- 遺言書に記載した不動産などの財産を売却・処分したとき
- 新たな財産(不動産や多額の預貯金など)を取得したとき
- ご家族に対するお気持ちの変化などで、遺産の分け方を変えたくなったとき
「以前は自分で遺言書を書いたが、やはり専門家に依頼して法的に確実なものに作り直したい」というご相談も多く承っております。
まとめ:遺言書の書き直しや見直しは司法書士にご相談を
遺言書は、ご自身の想いを確実に形にし、残されたご家族の負担を減らすための大切なラブレターです。
しかし、自己流で書き直しを行った結果、法律の要件を満たさずに無効となってしまっては本末転倒です。
当事務所では、現在の状況をお伺いした上で、書き直しが必要かどうかの診断から、確実な遺言書の再作成までトータルでサポートいたします。「今の遺言書のままで大丈夫か不安…」という方は、ぜひ一度、司法書士の無料相談をご活用ください。












